尿路結石症とは?
尿路結石症は、腎臓でつくられた尿の通り道である尿路に結石ができる病気です。
尿路とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道を指し、これらのどこに結石があるかによって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。
結石の成分は主にカルシウムやシュウ酸、尿酸などで、尿中のこれらの成分が結晶化し、徐々に大きくなって石のような塊を形成します。
結石は小さいものでは数ミリですが、大きくなると数センチに及ぶこともあります。
日本人の約10人に1人が一生のうちに尿路結石症にかかるといわれており、特に30代から50代の働き盛りの男性に多く見られます。
最近は、女性にも多く、10代から90代まで幅広い年齢で発症します。
また、再発しやすいという特徴があるため、適切な治療と予防が重要です。
尿路結石症の症状
尿路結石症の最も特徴的な症状は、突然起こる激しい痛みです。
結石が尿管に詰まると、尿の流れが妨げられて尿管が痙攣し腎臓が腫れて、激痛が生じます。
この痛みは「疝痛発作」と呼ばれ、脇腹から腰、下腹部、さらには太ももの内側まで広がることがあります。
尿管結石の症状
- 突然の激しい腰痛や脇腹の痛み
痛みは波のように強くなったり弱くなったり(間歇痛)を繰り返すことが特徴です。
ほとんどの場合、数日で痛みは改善していきます。 - 下腹部や鼠径部への放散痛
- 血尿(尿が赤やピンク色になる)
- 吐き気や嘔吐
- 頻尿や残尿感
- 発熱・悪寒(尿路感染を合併した場合) 重症化する危険性があるため、早急な治療が必要です。
腎結石の症状
- 無症状(特に小さい結石)
- 腰や背中の痛み
- 血尿(目で見えない血尿のこともあります)
腎臓内に留まっている場合は、無症状のこともあります。
そのため検診などで見つかることも多く、また、症状が無いのでいつの間にか大きくなっていることもあります。
将来的に結石が尿管へ移動すると急激な腰痛を発症します。また、長期的には腎機能の低下や感染症を起こすこともあります。
結石サイズによって治療方法が変わるため、定期的な評価が必要です。
膀胱結石の症状
- 排尿時の痛み・違和感
- 頻尿・残尿感
- 尿が出にくい、尿が途中で止まる(体勢で変わることもあります)
- 血尿
- 下腹部の痛み・不快感
- 尿路感染症を繰り返す
多くは、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの排尿障害を合併していることが多く、結石だけでなく排尿障害についても治療が必要となります。
尿道結石の症状
- 急に尿が出なくなる、出にくくなる
- 排尿時の強い痛み
- 尿が途中で止まる
- 血尿
- 陰部・会陰部の痛みや違和感
- 尿が漏れる(詰まりの手前であふれることがあります)
強い痛みや尿閉を起こすことがあり、緊急対応が必要になる場合があります。
尿路結石症の原因
尿路結石症の原因は、尿中のカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が高濃度になり、結晶化して結石を形成することにあります。
この背景には、遺伝的要因と生活習慣が深く関わっています。
結石ができやすい生活習慣
- 水分摂取不足(尿が濃縮され結石ができやすくなる)
- 食生活の偏り(動物性たんぱく質や塩分、糖分の過剰摂取)
- シュウ酸を多く含む食品の摂りすぎ(ほうれん草、たけのこ、チョコレート、紅茶など)
- 緑黄色野菜・海藻類の摂取不足(尿が酸性化して結石ができやすくなります)
- 運動不足(代謝が低下し結石形成を促進)
- 肥満やメタボリック症候群
- 過度のストレス
その他の要因
- 副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患
- 尿路感染症
- 痛風や高尿酸血症
- 家族歴(遺伝的素因)
特に夏場は発汗によって尿量が減少し、尿が濃縮されるため結石ができやすくなります。
また、欧米型の食生活の普及により、近年では若い世代での発症も増加傾向にあります。
尿路結石症の検査
尿路結石症の診断には、問診と各種検査を組み合わせて行います。
当院では患者様の状態に合わせて、適切な検査を実施しております。
主な検査項目
- 尿検査
血尿の有無、尿中の結晶成分、尿路感染の確認 - 血液検査
腎機能、炎症反応、尿酸値、カルシウム値、副甲状腺ホルモンなどを測定 - 超音波検査(エコー)
痛みや放射線被爆がなく、腎臓や膀胱の結石、水腎症(尿管結石の可能性)を確認できる - 腹部レントゲン検査
結石の位置や大きさを把握 - 腹部CT検査
最も精度が高く、小さな結石やレントゲンで写らない結石も発見可能で、結石の種類も推定できる
腹部CT検査は、結石診断の第一選択となります。正確な位置、大きさ、数を詳細に把握でき、治療方針を決定する上で非常に重要です。
また、尿管の狭窄や水腎症の程度も評価できます。
CT検査は放射線被ばくが問題となりますが、当院では被ばくを抑えた低線量CTを用いて診断や経過観察が可能です。
検査結果をもとに、結石の大きさや位置、患者様の症状や全身状態を総合的に判断し、最適な治療法をご提案いたします。
症状が強い場合や感染を伴う場合は、迅速な対応が必要となります。
尿路結石症の治療
尿路結石症の治療は、結石の大きさや位置、症状の程度によって選択されます。
当院では患者様の状態に最も適した治療法をご提案し、苦痛の軽減と早期回復を目指します。
保存的治療(経過観察)
- 10㎜以下の小さな結石は自然排石が期待できる。
- 水分摂取と運動の指導
- 排石を促す薬の処方
- 鎮痛薬による痛みのコントロール
- 定期的な検査で結石の位置と大きさを確認
10㎜未満の尿管結石は、一か月以内に約7割が自然排石されると言われております。
薬物療法
- 尿管を拡張させる薬で結石の排出を促進
- 尿酸結石に対する溶解療法
- 鎮痛剤・鎮痙剤
- 感染症が疑わしい場合は、抗菌剤
- 結石の成分に応じた再発予防薬
外科的治療が必要な場合
- 10㎜以上の大きな結石
- 激しい痛みが続く場合
- 尿路感染や腎機能障害を伴う場合
- 自然排石が困難と判断された場合
外科的治療が必要な際は、体外衝撃波砕石術や内視鏡手術などを行う専門医療機関へご紹介いたします。
現在、日本で最も多く行っているのは、経尿道的腎尿管砕石術です。
内視鏡の進歩により、尿道からカメラを入れて腎臓の中まで到達可能となり、低侵襲で効果の高い治療が可能となっております。
但し2㎝を超えるような大きな腎結石の場合は、経尿道的腎尿管砕石術では効率が悪く、複数回の治療が必要になるため、経皮的腎砕石術(背中の皮膚から直接腎臓に穴をあけて、内視鏡を入れて砕石する方法)が選択されます。
各治療法に関しては、わかりやすくメリット・デメリットについて説明し治療法の選択をサポートします。
また、治療後は再発予防のための生活指導や定期的なフォローアップを行い、患者様の健康をサポートいたします。
尿路結石の予防
尿路結石は再発率が高く、最初の結石発作から5年以内に2人に1人(50%)の方が再発すると言われております。しかし、適切な予防管理をすることで有意にその再発リスクを減らすことができます。治療も大事ですが、実は予防が最も大切です。
飲水
飲水は、食事以外で2L以上摂ることが重要です。お水やお茶で構いません。
糖分が多いものや高級なお茶は逆効果です。
アルコールは適量であれば問題ないですが、飲みすぎるとその後に利尿期を経て、脱水になります。
その際に尿路結石ができると言われております。
食事
尿路結石症の予防や再発防止には、食生活の見直しが非常に重要です。
バランスの良い食事や規則正しい食事時間が重要です。
積極的にとるもの
- 尿のアルカリ化:海藻類、緑黄色野菜
- カルシウム:牛乳、小魚など
- 低脂肪食
- 植物性蛋白質:豆腐、納豆
とり過ぎてはいけないもの
結石の種類によって避けるべき食品は異なりますが、特にシュウ酸カルシウム結石が最も多いため、シュウ酸を多く含む食品には注意が必要です。
シュウ酸を多く含む食品(控えめに)
- ほうれん草、たけのこ、さつまいも
- チョコレート、ココア
- 紅茶、抹茶、煎茶
- ナッツ類(ピーナッツ、アーモンド)
- バナナ、キウイ
その他、控えるべき食品
- 動物性たんぱく質の過剰摂取:肉類、魚類(適量は問題なし)
- 塩分の多い食品:加工食品、インスタント食品、漬物
- 糖分の多い食品:清涼飲料水、お菓子類
- プリン体を多く含む食品:レバー、イクラ、ビール(尿酸結石の場合)
- アルコール類:特にビールは尿酸値を上昇させる
運動
1日20分以上を目安に運動を生活習慣に取り入れ、内臓脂肪を燃焼させましょう。
小さい結石であれば自然排石を促す効果があります。適度な水分を補給しながら行いましょう。継続することが最も大事です。
ダイエットすることで生活習慣病が改善するだけでなく、尿路結石もできにくくなります。
薬物治療
何度も尿路結石を繰り返す方や、そのリスクが高い方は、薬物治療を検討します。
クエン酸製剤は、カルシウム結石の結晶核形成、成長、凝集を抑制します。
また尿のpHをアルカリ化することによって尿路結石の形成を抑えます。
通院
結石の再発・増大予防は、飲水・食事・運動などの指導が重要です。
定期通院により、これらの生活上の注意点への意識が高まり、結石再発予防効果が高まります。
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